全体公開記事:3Dデータの基礎 – 建設現場での活用方法を学ぼう

建設現場において、3Dデータは施工の効率化と精度向上に欠かせない存在です。この記事では、3Dデータの基本的な概念や作成方法、その活用例について解説します。

3Dデータは、平面(X軸・Y軸)に高さ(Z軸)を加えた三次元の情報を持つデータです。このデータを用いることで、現場の立体的な形状を正確に再現し、施工計画や管理に活用できます。具体的には、平面図・縦断図・横断図の情報を基に、数値化された設計データを入力し作成されます。

位置情報

図面データには、施工場所や高さ(標高)などの位置情報を含める必要があります。これにより、正確な施工が可能になります。

座標系の理解

3Dデータ作成には、緯度経度座標系や平面直角座標系などの座標系を使用します。データ作成時に座標系が異なると、位置の誤差が生じるため注意が必要です。

測地系

測地系は、地球の形状を表す基準となるもので、設計データの正確性に影響します。日本では「GRS80楕円体」に基づいた世界測地系が一般的に使用されています。

3Dデータは、施工内容や目的に応じてさまざまな種類が作成されます。たとえば、以下のようなデータが挙げられます。

施工用データ: 盛土や法面整形のために作成されるデータ。

出来形データ: 完成後の形状を確認するためのデータ。

建機用データ: ICT建機に組み込むデータで、施工中にリアルタイムで使用されます。

土量計算用データ: 盛土や切土の量を算出するためのデータ。

3Dデータ作成時には、以下の点に注意が必要です。

分解能の設定

データの精度を上げるためには、三角形の細分化が重要です。ただし、細かすぎるとICT建機での施工に支障が出る場合があります。

層ごとのデータ作成

盛土などの作業では、層ごとにデータを作成しなければなりません。一層ごとに異なるデータを準備することで、施工の精度が向上します。

3Dデータは、多くの場合「TINデータ」と呼ばれる三角形の集合体で構成されています。この形式は、ICT建機で施工する際に使用される主要な形式です。曲線の表現は直線の組み合わせで近似されるため、完璧な曲面を再現することは難しいですが、適切な細分化により精度を向上させることが可能です。

ICT建機では、作成された3Dデータを使用して施工を行います。たとえば、ブルドーザーやショベルが3Dデータに基づいて自動的に操作され、施工精度が向上します。ICT建機と3Dデータの連携により、現場作業の効率化が実現します。

3Dデータ作成には専用のソフトウェアが使用されます。以下は一例です。

EX-TREND武蔵(福井コンピュータ):道路や河川の3Dデータ作成に特化したソフトです。

TREND-POINT(福井コンピュータ):点群データを処理し、現況を反映したデータを作成します。

3D-Office(Topcon):建機で使用するデータを変換し、マシンコントロール向けのデータを作成します。

3Dデータは、現場での施工を効率化し、正確性を向上させるために欠かせない技術です。その作成には、座標系や測地系の理解、TINデータの特性を考慮した設計が求められます。また、専用ソフトウェアを活用して、用途に応じた3Dデータを効率的に作成することが重要です。これらの基礎を理解し、3Dデータを現場で最大限に活用しましょう。


Comments

“全体公開記事:3Dデータの基礎 – 建設現場での活用方法を学ぼう” への2件のフィードバック

  1. 標準のLandXMLデータについてはBricsCadなどでも扱うことができますがJLandXML等の国交省拡張仕様について現況選択肢がとても狭い状況です。

    AresCommander+JCIVIL製品リリースにあたってテストユースで検証のお話を頂いておりますが御社にてご検討いただくことは可能でしょうか?

    Vendor様直通になりますようお取次ぎいたしますのでよろしくお願いいたします

    1. Atos株式会社のアバター
      Atos株式会社

      EXEO_Tajima様
      いつもご覧いただきありがとうございます。
      いただいた件について、弊社担当のものより直接ご連絡させていただきます。
      今しばらくお待ちくださいませ。

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