近年、建設業界におけるICT(情報通信技術)の導入が進められていますが、現場レベルではまだ十分に普及しているとは言えません。Atosの現場経験者(担当者)の声をもとに、その理由を探ります。
1. ICT導入の現状
ICTの活用工事(3次元測量やICT建機の活用など)が進んでいるものの、実際に導入している現場の割合はまだ限られています。特に国交省発注の工事では普及が進んでいる一方で、地方自治体や民間レベルでは導入が遅れているのが現状です。
国土交通省「ICT施工の普及拡大に向けた取組」
https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/content/001631708.pdf
2. 普及が進まない主な理由
(1) 高額な初期投資
ICT建機や測量機器の導入には高額なコストがかかります。経営層にとっては「導入したからには、それ以上の収益を上げなければならない」というプレッシャーがあり、慎重な判断を求められるケースが多くなります。
(2) 技術習得のハードル
ICT機器は「簡単に使える」と言われることが多いですが、実際には操作を覚えるまでに時間がかかります。「ICTがなくても作業できるベテランにとっては、覚える手間が増えるだけ」との意見もあり、特に年配の技術者にとっては導入が負担になるケースもあります。
(3) 知識不足とサポート不足
ICTを活用するための知識が不足している企業や技術者が多いのも課題の一つです。特に中小企業では「何から手をつけたらいいのかわからない」「誰に聞けばいいのかわからない」という声が聞かれます。また、ICT機器のトラブル対応には時間がかかることが多く、「メーカーに問い合わせても30分~1時間待たされる」といった課題もあります。
3. 現場担当者がICT導入の未来に期待すること
(1) 施工ナビゲーションによる最適な作業手順の提示
現場作業は天候や環境条件に大きく左右され、計画通りに進めるのが難しいことがあります。例えば、大雨の影響で現場が荒れ、作業手順を大幅に変更しなければならない場合、「何から手をつければいいのか判断がつかない」といった問題が生じます。こうした状況に対応するために、ICT技術を活用して現場状況をスキャニングし、最適な施工手順を示してくれるシステムが実現すれば嬉しいです。
「カーナビのように複数のルートが提示される施工ナビゲーションがあれば、作業の効率化につながりそうです。」また、経験者が培ったノウハウをデータ化して、新しい技術者が学べる仕組みができれば、よりスムーズにICTが現場に定着するのではないでしょうか。
(2) AIによる施工計画の自動作成
AI技術が進化すれば、施工計画の作成ももっと簡単になりそうです。現在は過去の事例をもとに人手で計画を立てることが多いですが、AIが過去の施工データを学習して最適な計画を自動で作成できるようになれば、とても便利ですね。 書類作成の手間も減り、「誰が作業を進めても一定の品質が確保できる」状態が実現すれば理想的です。
さらに、AIが現場の状況をリアルタイムで分析し、作業の進行をサポートしてくれるようになれば、経験の少ない技術者でも安心して作業を進められるようになるでしょう。
このように、未来の建設現場ではICTの活用がもっと身近になり、作業の効率化や生産性向上につながることが期待されます。こうした技術が現場で当たり前に使われる日が来るといいですね。
4. ICT導入をスムーズに進めるために
ICTの普及を加速させるためには、現場の知識や技術を共有し、学ぶ機会を増やすことが不可欠です。しかし、多くの企業や技術者は「どこで学べばいいのか分からない」「導入後のサポートが不足している」といった悩みを抱えています。
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