
協和補償コンサルタント株式会社
協和補償コンサルタント株式会社は、群馬県高崎市を拠点に、公共事業の補償コンサルティングや測量業務を手掛ける企業です。40年以上の実績を持ち、補償8部門全てに対応できる強みを活かし、官公庁や民間企業のプロジェクトに幅広く貢献しています。近年、DX化の流れを受け、最新の測量技術の導入を進めており、その一環として ハンディ型レーザースキャナー「RS10」 を導入しました。
そこで今回は、実際にRS10を導入し活用している同社のご担当者様に、その経緯や導入の決め手、活用の効果についてお話を伺いました。
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インタビュー概要
▶ 導入前の課題
・TLS(地上レーザースキャナー)を使用していたが、測量準備やデータ取得に時間がかかっていた。
・測量士の高齢化により、新技術の導入に対する抵抗感があった。
▶ 導入による効果
・短時間で測量が可能に!事前準備がほぼ不要ですぐに使える。
・操作が簡単! 高齢のベテラン測量士でもスムーズに扱える。
・現場の負担軽減! 事前準備はほぼ不要で、持ち運びも簡単。
・受注機会が増加! 他社より早く導入したことで、新たな案件獲得につながった。

導入の背景
■ RS10を導入した目的を教えてください。
UAVレーザーの補備測量をTLSで行うには人工がかかりすぎるためSLAM購入の検討を行った。
「TLSやトータルステーションを使うと、どうしても作業の手間がかかります。認可が必要な場面も多く、スピーディに測量するのが難しいんです。そこで、SLAM方式のRS10なら短時間で測量できると考え、導入しました。」
■ RS10を導入する前は、どんな工程になっていましたか?
地上レーザー測量機による観測のため、莫大に時間を要した。
「TLSを使うと、測定には1日がかり、場合によっては数日必要なこともありました。特に広範囲を測量する場合、人員の確保が難しく、負担が大きかったですね。」
■ 業務において、どんな課題がありましたか?
点群測量等を行う場合は専門的な知識が必要である。
人員の高齢化により複雑な機械の操作や新たな知識を入れるのには抵抗感があるらしい。
「TLSやトータルステーションの測量は、専門的な知識が求められるため、新しい人材を育成するのが大変でした。ベテランの測量士が高齢化しており、新しい技術の習得に対する抵抗感もありました。」
■ RS10の導入によって実現したい目標を教えてください。(どんな状態が作れれば理想的とお考えでしたか?)
手軽に誰でも現況点群を取得できることによる机上データ量の増加。(2Dではわかりづらい現地の可視化ができる等)
導入の決め手・理由
■ RS10は何で知りましたか?
Atosのデモ
■ 他社との比較はされましたか?
2社程度と比較。
■ 製品の選定で重視した基準は何ですか?
製品そのものよりもパッケージ(内容)とスピード感
■ 導入の決め手になったのは何ですか?
製品自体は他社と大きく変わらないが、サポートが充実していたことや、価格面でのコストパフォーマンスが良かったことが決め手。
「Atosのデモを受けて、実際の使い勝手を確認しました。他社の製品とも比較しましたが、サポート体制の手厚さや、価格とのバランスを考えてRS10を選びました。」
■ 導入に際して、社内からどのような意見があがりましたか?
小型な方がよいのでは?そもそもTLSとUAVレーザーがあるからいらない?
「UAVレーザーは上空から広範囲を測量できますが、地上の詳細なデータ取得にはTLSが必要で、それぞれのデータを組み合わせるのに手間がかかっていました。」
■ 導入の意思決定は、誰が行いましたか?
測量設計部部長と社長
活用方法
■ RS10を使い始めてどれくらい経ちますか?
3か月
■ RS10を使っているのは何人ですか?
6人
■ RS10をどのように(何に)使っていますか?
測量的な現況観測として公園設計の活用、発注者への付加資料、補償業務での現場調査のデータ査の増加。
現況観測(公園設計・都市計画)
「公園設計では、地形の詳細なデータが必要になります。RS10なら簡単に現況点群を取得できるので、図面作成の精度が向上しました。」
災害調査(浸水調査・被害状況の記録)
「高崎市の浸水地域の調査でRS10を活用しました。高さデータを取得し、浸水の影響を可視化することで、どのエリアが危険なのかが明確になりました。」
発注者へのデータ提供
「2Dの平面図だけでは伝わりにくい場面でも、RS10で取得した3Dデータを活用することで、発注者に分かりやすく説明できるようになりました。」
補償業務での現場調査
「補償業務では、対象物件や土地の現況を正確に把握する必要があります。RS10を使うことで、現場での確認作業が減り、効率化できました。」
■ RS10を使うにあたって、設定しているKPI (指標)はありますか?
顧客満足度を上げるためや人工の削減による業績の増加につなげようとはしている。
活用した所感
■ 実際に使ってみた所感を教えてください。
意外と重い。
高齢の社員でも操作できる手軽さは素晴らしいと思う。
■ 導入による手応えを感じたのはどんなタイミングですか?
下準備がほぼ不要なので発注者側からの依頼に即座に対応できるとき。
■ 実際に使ってみて、つまずいた場面はありますか?
点群生成と解析時には多少の慣れが必要かと思うがその他には特にない。
「リアルタイムで点群生成できるのは便利ですが、データの解析には経験が必要でした。」
■ 使ってみて気に入った機能・便利と感じた機能はありますか?
まだ使用頻度が浅いため特にないが、しいて言うならリアルタイムでの点群生成。
導入の効果
■ RS10の導入により、生産性の面で得られた効果を具体的に教えてください。
人工の削減とタイムパフォーマンスの良さ
■ RS10の導入により、どの工程で時間を短縮できましたか?
事前準備の少なさ
やることと言ったらデバイスを充電する程度。
「これまでの測量では、現場での事前準備や測定にかなりの時間を要していました。でもRS10なら、デバイスを充電して持っていくだけ。操作も簡単なので、作業時間を大幅に短縮できました。」
■ RS10の導入により、あなたの行動やスケジューリングにおいて変化した点はありますか?
自分が別の業務にかけられる時問が増える。
「RS10で取得したデータが充実しているため、現場に何度も足を運ばずに済むようになりました。」
■ RS10の導入により、あなたの心理面で変化したことはありますか?
同業他社より導入が早かったため、アピールができる。
■ 貴社の目標達成において、RS10のどのような部分が役立っていますか?
RS10による冠水照査のデモを行い、高評価を得ることができ、観測の依頼が来ている。今後も受注が増えそうである。
「同業他社よりも早く導入したことで、浸水調査などの案件が増えました。」
■ RS10による効果面で、もっとも高く評価していただいていることは何ですか?
屋内屋外の出入りをしても問題なく点が取れているところ。
■ RS10による効果をどのように受け止めていますか?
実際の作業効率のアップと発注者に対する弊社のイメージアップ効果がある。
今後の目標や展望
■ 貴社の今後の目標やビジネス展開を教えてください。
3D観測における他社からの優位性をアピールしての受注増
■ 貴社の今後の目標達成やビジネス展開において、RS10をどのように活用していきたいですか?
公共事業の用地に関する業務が主であることから、境界立会や他工程に生かせればと思う。
■ 今後、弊社に期待することは何ですか?
技術支援や新技術、活用法の共有
「RS10の活用方法や解析ソフトの使い方について、さらに支援を受けられるとありがたいです。」
■ RS10は貴社にとって、どのような役割を担っていますか?
新技術導入のスピードが他社に比べて非常に速いことのアピール
■ RS10を他社に勧めるなら、一押しのポイントとしてどんなことを挙げますか?
要求精度が高くても事前準備がほぼ不要で手軽に面的な点群測量が可能
貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
※インタビュー内容は取材当時のものです。
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